遺言を作成することで後継者に株式等事業用資産を集中させることが可能となります。
ただし、遺言はいつでも撤回できる為、生前贈与ほど後継者の権利が確実ではありません。
また、遺留の侵害による減殺請求や遺言の有効性をめぐるトラブルが起こることもあります。
確実に遺言の内容が実行されるという観点では、遺言信託の活用も選択肢のひとつです。
遺言作成者が全文を自筆で作成。
手間や費用はかからないが、形式不備での無効や偽造・紛失の恐れがある。
公証人という専門家や2名の証人が作成に関与する遺言。
手間や費用はかかるが、無効となる可能性は低く、信頼性が高い。
財産の権利確定の為には、生前贈与が一番確実なのですが、生前に権利移譲が行えないケースも存在します。
遺言がない場合は、通常は相続人間の遺産分割協議で遺産を分割することになりますが、自社株や事業用不動産のような財産を、法定相続分どおりに分割することは難しく、協議が長期にわたる場合もしばしばあります。
協議がまとまらず、争族紛争に発展してしまう不幸な事例も見られます。
遺言で財産の分け方を具体的に指定しておけば、こうした事態を防ぐことができます。
また、遺言は法定相続に優先しますので、他の相続人の遺留分に留意すれば、法定相続分とは関係なく、後継者に株式や事業用資産の集中を行うことができます。